真のマインドマップで脳の可能性を引き出し、天才に近づく方法【理論編】

おそらく、あなたは記憶力の向上や、創造性を養いたい、もしくは情報をうまく整理したいと思ってこのマインドマップの手法に辿りついたことだろう。

結論を先に言うと、マインドマップを使うことであなたの脳が持っている本来の力を引き出し、記憶力の向上や創造性を養うことは十分に可能だ。無能であるとか、自信が持てないとか、興味を持てないとか、集中力や記憶力や思考力を伸ばすことができないとか、そのように嘆く必要はなくなる。

より天才に近づけることだって可能だ。

ただし、それは間違ったマインドマップの使い方をしていない場合に限る。

マインドマップは、ただ項目を関連づけて出してけばいいという単純なものではないし、情報を整理して出来上がったマインドマップそのものに価値があるものではない。多くの人は、マインドマップをただのツールとして表面的に捉え、単にマネすることしかできていないので、結局のところ大きな成果を得ることができていない。

ここでは、マインドマップの本当の意味意義を紹介していく。以前からマインドマップをうまく活用して能力開発やアイデア出しをしたかったのであれば、ぜひ読み進めていってほしい。この記事は「マインドマップはなぜあの形になっているのか?」という根本的な疑問を解消し、マインドマップの本質について、あなたの理解が以前より深まるようにと作成した。マインドマップ実践の前に、マインドマップが「なぜ」そのような形になるのかという「なぜ」の部分を認識するだけで、マインドマップを実践した時の効果は段違いになるだろう。

1.マインドマップの2つの誤解

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最初に知っておいてほしいのが、ほとんどの人が正しいマインドマップを実践できていないということだ。あなたが今後正しいマインドマップを実践できるように、まずマインドマップについて誤解しがちな2点について解消していこう。これらの認識を払拭できなければ、真のマインドマップに到達することはできない。あなたの認識がいずれかに当てはまっていないか、確認してみてほしい。

1-1マインドマップをテクニックとして認識している

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あなたは、マインドマップと聞いてなんとなく上記のように使用してはいなかっただろうか。小手先のテクニックとしてのマインドマップの使い方は、本来のマインドマップの効果を半減させてしまうことになる。

確かに手っ取り早くマインドマップを実践しておけば、効果がすぐに得られそうな気持ちもわかる。しかしそれだと効果は半減されてしまう。なぜならマインドマップ本来の意図に沿わなくなるからだ。形式上のマインドマップではなく、脳の力を最大限に発揮させるようなマインドマップにするには「なぜ、マインドマップがこのような形になっているのか?」という疑問をまず解消する必要がある。ただ真ん中にキーワードを配置し、そこから派生させればいいものではないということを理解して頂きたい。

1-2ロジックツリーとマインドマップを混同している

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これも誤解されやすいポイントだが、ロジックツリーとマインドマップは異なる用途で使うべきツールだ。これらは思考の過程を視覚化する点で見れば同じだが、マインドマップにおいては論理的に考えて作成する必要などない。むしろ自由に作成する必要がある。

なぜならマインドマップは、創造力や記憶力、考える力など、本来、人間が持っている脳のポテンシャルを発揮させるための思考技術だからだ。あらかじめ決められたフレームワーク通りに作成するロジックツリーというツールはマインドマップと比べるとかなり閉鎖的な技術だと言える。これから説明する「脳の構造」を知れば、いかにロジックツリーが別ものなのか理解できるだろう。

以上、誤解しやすいマインドマップについて説明した。この2点を認識しておくだけであなたが意味のないマインドマップを作ることがなくなる。そして、ここからはさらに効果を生み出すために「真のマインドマップ」とは、どのような理論に基づいているのかについて説明していく。

2.マインドマップと脳の構造

真のマインドマップを習得するには、あなた自身で脳の構造をイメージできるようになる必要がある。脳の構造をイメージできるようになれば、マインドマップがなぜ放射状で、なぜ木の枝のような形に表現しなければならないかを理解できるだろう。

2-1脳の無限の力

人間が記憶を呼び起こすとき、脳はどのような仕組みによって記憶を呼び起こしているのかご存じだろうか?記憶を呼び起こすとき、人間の脳は無数にある脳細胞を行き来することで記憶を取り出している。そしてその行き来するための道である回路というのは、何かを考えたりするたびに脳の思考を伝達する際に生じる抵抗が減少していく。簡単に言うと、脳内で同じことを考え続ければ続けるほど、考える行為が楽になるということだ。

考えたり記憶を思い起こすプロセスというのは、道を作っていくことに似ている。例えば森を歩く時、最初はたくさん草や木が生えていて進むのに苦労しなければならない。しかし二度目に通る時には道が作られていき、少しづつ通りやすくなる。脳内も同じで、繰り返しにより思考パターンや地図ができて道が整備されていく。つまり反復が次の反復作業を楽にするのだ。
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賢い人は1つの物事に対して、同じことを考え続けているから脳内で歩きやすい道を作ってしまう。そしてその道がパターンとなり、容易に今欲しい情報を取りに行ったり来たりを繰り返すことができる。賢い人は「パターンを作り、使う能力」が優れていると言われているのだが、それは脳細胞と脳細胞をつなぐ神経を「通りやすい道」にしていくことで可能にしている。お気づきだと思うが、それを叶えるのが真のマインドマップだと言っておこう。

もう1つ数値的な話をしよう。人間の脳には一兆個の脳細胞があると言われており、100億個のニューロン1つ1つに、100000000000000000000000000個の連結の可能性があると言われている。1つのニューロンにこれほどの潜在能力があるのなら、脳全体がどれほどの大きな力を持つかは想像もできない。つまり脳の可能性は無限大だと言える。しかし多くの人は、その力を引き出すことができていない。上記の図で例えるなら、ジャングル状態のまま放置されており、道が整えられていないので力を最大限に発揮することができていない状態にある。ではどうすれば脳の力を無限大に引き出せるのだろうか。鍵となるのは「放射思考」である。

2-2放射思考

脳の力を最大限に発揮させる放射思考とはどのようなものだろうか?まず放射思考のイメージを見ていただきたい。

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これは脳が受ける情報(感覚や記憶や思考)が球体で何千万、何億、何十億ものフックが放射線状に広がっているイメージである。フックは他の情報と関連し、結合している。その関連づけには無限の組み合わせがあり、一度関連づけされたものは記憶のデータベースとなる。脳の思考パターンはこうした関連づけのフックを次々伸ばしていく構造になっている。ざっと計算しただけでも、既存のデータベースとそこから放射線状に広がる連結の可能性は何千兆にものぼることもある。ここに脳の圧倒的な可能性がある。

脳のこういったスキルを利用し、放射思考でデータを収集し学習を続ければ、学ぶことがもっと楽になる。放射思考のコンセプトは、脳が持つ無限の情報処理能力と学習能力に基づいたものであり、マインドマップは、この放射思考を外面化したものである。

次に具体例として、この放射思考を取り入れた「天才のノート」と、私たちが今まで書いていた「私たちのノート」の違いからマインドマップの優位性を立証していこう。

3.私たちのノートと天才のノートの違い

あなたは学生時代、どのようにノートを取っていたか覚えているだろうか?

思い返せば、先生が黒板に書く内容をただ書き写していただけではなかっただろうか。「私たちのノート」は、本や記事や講義などで得た他人の考えを要約していただけだ。しかし「天才のノート」は違う。「天才のノート」は自分自身の考えを、創造的な方法で整理することができる。私たちは今まで「ノートをとる」だけであって、「ノートを作る」というクリエイティビティ溢れる作業は1分たりとも行ってこなかった。ここに天才との大きな違いがあることを認識してほしい。

3−1.「ノートをとる」ことに意味はない

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「ノートをとる」ことは意味がない。これは非マインドマップ状態だ。一見すごく勉強しているように感じられる「ノートをとる行為」というのはかなり時間がかかってしまうし、脳の機能全般、特に学習中の記憶の呼び起こしに必要なものがそもそも欠けている。結局、ただ書き写しているにままならない。あなたがノートをとっていた時間を思い出して欲しい。その時間というのは、退屈、苦痛、時間の浪費、憂鬱、などといったネガティブなイメージが強かったのではないだろうか。あなたが今まで書いてきたノートは単調かつ意味が薄いものだったため、脳は退屈して、興味を失い、眠ってしまっていたのだ。「ノートをとる」こと自体に意味はない。大切なのは、「ノートを作れる」かどうかである。脳を退屈させないように、むしろ脳に興味を促せるように様々な工夫をすることが大切だ。では次に「天才のノート」から脳に興味を与えるにはどうすればいいのかについて説明していく。

3−2.「ノートを作る」ことが天才への道

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脳が眠ってしまうという問題を解決し、より天才に近い形で脳を動かしていくためには「ノートを作る」ことが大切になる。では「ノートを作る」とはどのようなことを指すのだろうか。結論を先に伝えておくと、「ノートを作る」ことは「マインドマップを作る」ことだ。驚くべきことに、過去に天才と言われていた人物のノートは、必ずマインドマップの原理に基づいて作成されている。1つ具体例をご紹介しよう。過去の天才であるレオナルド・ダ・ヴィンチは以下のような考えを持って、ノートを作成していたという。

レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿(メモ)に対する考え

  • ノートを記述することは、脳の無限につながりを見つけることができる。
  • 一枚のページの中でアイデアを放射状に連想させる
  • あらゆるものは他のものと必ず関連する
  • イラストと文字を組み合わせる

こうして列挙してみると、マインドマップがレオナルド・ダ・ヴィンチの考えと全て合致していることがわかると思う。つまり、あなたが凡人から天才になるためには、脳に何の刺激も与えないノートをとる行為を辞めて、マインドマップを作るという1点のみだということが理解できるだろう。

4.真のマインドマップを使おう

放射思考を意識できていない状態でマインドマップを作成したところで、それはただのノートであり、脳は何も感じない。一生懸命キーワードから派生させようとブレーンストーミングを試みたマインドマップもどきをよく見るが、それだと天才のような思考になることは難しい。なぜならそれは冒頭に説明したロジックツリーに毛が生えた程度にままならないからだ。本当のところでのマインドマップというのは。無限に広がる脳の力を自在に使いこなせるようになるツールだ。カラフルな色を用い、木の枝のように放射状に広げ、そこにたくさんのイラストを交えることでようやくあなたの脳は喜び始める。ちなみに、真のマインドマップの具体的な使用例は下記のように多彩に存在している。

  • ノート術
  • 記憶術
  • アイデア発想
  • 自己分析
  • 問題解決
  • 意思決定
  • スケジュール管理
  • 知的生産の技術
  • コミュニケーション術
  • 経営術

もちろんまだまだ挙げられるが、使用方法はかなり多彩だ。知的生産においてマインドマップに汎用性があり、様々な用途で使われているということは、それほど脳の構造にマッチしているからだといえるだろう。

最後に

今、あなたの脳細胞と脳細胞の道はジャングルのようになっていて、物事の処理に困難を強いられているかもしれない。しかし真のマインドマップを使用することで、インフラが整った現代の道路のように快適に物事を処理できるようになるだろう。大切なのは、マインドマップの創始者トニー・ブザンのルールに従ってマインドマップを作れるかどうかだ。トニー・ブザンのルールは何かというと、繰り返しになるが、カラフルな色を用い、木の枝のように放射状に広げ、そこにたくさんのイラストを交えるようなマインドマップのことを指す。もしあなたが今までマインドマップを誤用して作成していたのであれば、改めて”真のマインドマップ”を手間を惜しまず実践してみてほしい。そうすることで、あなたの脳細胞が100000000000000000000000000個ほど連結していく可能性が増え、天才により近づけるようになるだろう。

参考文献
トニー・ブザン(2005),『ザ・マインドマップ』,ダイヤモンド社.