優秀な人が毎日実践している、頭が良くなる思考トレーニング 

考えが浅い、発想がありきたり。あなたはそのように言われて悔しい思いをしたことはないだろうか。必死に物事に対し向き合い、考えたのに関わらず、なぜそのような結果になってしまうのか?

それは、自分が思っているほどあなたには思考力が身についていないからだ。思考力が身につけば、良い仮説を立てられるようになる。良い仮説を立てることができれば、良い答えが生み出せるようになる。そうすると「よく考えているね」「頭いいね」と言われるようなアウトプットを出すことができる。

逆に思考力が身についていなければ、仮説を立てることすらままならない。何もわからないまま「考えが甘かった」と後悔してしまうことになるだろう。ここでは、良い仮説を生み出すために、思考力の身につけ方を説明する。日常生活でも使える方法なので、ぜひインプットして、実践してみてほしい

思考力のある人間とは?

thinkまずはじめに、そもそも「思考する」とはどう言ったことを指すのだろうか。今一度、定義を確かにしてみたいと思う。よく、自分で考えろと言われてすぐグーグルで検索する人がいるが、考えることは決してググることではない。

考えることは与えられた情報のみでつながりをもたせ、新しい情報を「こうなのではないか?」と仮説を出してみることだ。例えばこのような情報が与えられたとしよう。「鼻が赤い、ヒゲがある、青い体、黄色い鈴をつけている」この文字列を見て、これはもしかするとこれは「ドラえもん」のことを言っているのではないか?と仮説を立てることができるだろう。「ドラえもん」かもしれないと仮説を立てれば、「ロボットなのか?」「未来から来たのか?」という質の高い問いが生まれてくる。これが思考するというプロセスに当たる。doraemonkasetsu

もう一度整理すると、「与えられた情報でつながりをもたせ、仮説を立てる」これが思考するということだ。ただ、現実では先ほどの「ドラえもん」の例のように簡単に答えが出るような問題ばかりではない。むしろ正解の見えない問題であることがほとんどだ。そうした答えの見えない問題に対して、1%でも正しい答えに迅速に近づける人間が、思考力がある人間なのだ。つまり、頭が良くなるということは、仮説の質が高くなるということを指す。

思考を深めるためには

瞬間的に深い考察ができる人、なぜこのような人は直感で正解に限りなく近い答えを導き出すことができるのか?それは、日頃から訓練しているからだ。決してセンスではない。問いを疑ってみることや、逆の発想をするといったテクニックももちろん使用しているだろうが、一番大切なのは毎日「思考」しているかどうかなのである。「思考」すれば自ずと頭は良くなる。では、具体的に毎日どのように思考すれば、瞬間的に深みのあるアウトプットを抽出することができるのか?そこで大きく2つ、思考力を身につける訓練方法をご紹介しよう。

  1. 日頃から「WHY(なぜ?)」を繰り返し使う
  2. 日頃から「SO WHAT(だから何?)」を意識して使用する

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この2つを日常で使用する事で、思考の深さが増す。なぜそう言い切れるのかというと、思考する事そのものが「癖」になるからだ。与えられた情報のみでも「それがなぜなのか?」と「だからどうなるのか?」を愚直に問いかけ、質の高い仮説を立てる事ができれば、素早く思慮深いアウトプットを出せる。では早速、この2点の訓練方法について具体的に説明していこう。

①日頃から「WHY(なぜ?)」を繰り返し使う

哲学者ソクラテスになろう

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「なぜ?」の具体的な使用法について触れる前に、「なぜ?」という問いかけをすることがいかに大切かということを「哲学者ソクラテスの話」を交えて説明したい。

あなたは哲学者ソクラテスのこのような面白いエピソードを聞いたことがあるだろうか。ソクラテスは道行く人々にとにかく「なぜ」と問いかけていたことがあったそうだが、「なぜ」と問い詰められすぎて鬱陶しくなった人がソクラテスのことをぶん殴ったというエピソードだ。

何が言いたいのかというと、実はこの「問いかけられた側が愚かだった」ということが言いたい。決して問いをたくさん投げかけたソクラテスが愚かだったわけではない。というのも、「なぜ?」に答えられない人は得てして、思考停止状態にあるからだ。

これは例えば、グーグル検索に頼ってしまって誰かが考えた回答に便乗してしまう状態と同じことだ。あなたもグーグルで検索して出てくる答えが全てだと信じきってしまってはいないだろうか?グーグルで検索する前に一度立ち止まって「なぜそうなのか」という一言を付け足すことで「すでに誰かが出した答え」ではなく「自分なりの答え」を生み出すことができる。実は頭の良い人とそうでない人の違いというのは、「自分なりに考えてみる」というアクションを起こせるかどうかなのだ。

あなたは今までソクラテスのように人が嫌がるまで「なぜ?」と問い続けたことがあるだろうか?「なぜ?」と問い続けることこそが「思考を生み出す」上で大切になる。では、日常において「なぜ?」をどの場面で、どのように使えば、あなたの脳内で「思考を生み出す」訓練ができるのだろうか。前置きが長くなったが、本題である「なぜ」の使用方法を説明しよう。

トヨタ式「なぜなぜ5回」

なぜなぜ分析という言葉を聞いたことがあるだろうか?「なぜ?」の使用法として、ある事象に対し、なぜを5回繰り返すといい。そう言われてもイメージしづらいと思うので、まずは事例としてトヨタ従業員の使用例を交えて説明していこう。トヨタ従業員は生産ラインに何らかの「問題」が生じたときに、その問題を引き起こす根本の原因を「なぜ」を5回繰り返すことによって発見し、改善したという。例えば、「機械が止まってしまった」という事象があったとしよう。そうすると「なぜ機械が止まってしまったのか?」問いが生まれ、さらに下記のように深く落とし込むことができことを実感してほしい。

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大野耐一「トヨタ生産方式」(ダイヤモンド社,1978)より図を改変して引用

トヨタ元副社長の大野氏の解説によると、「なぜの追及が足りないとヒューズの取り換えやポンプの軸の取り換えの段階で終わってしまい、数か月後に同じトラブルが再発する」とされている。つまり、「なぜ?」の深堀りが浅ければ、本質的な問題に行き着けないどころか、無駄に工数を増やしてしまうことになる。

これに倣って、あなたの日常においても問題が生じる際に「なぜ?」を5回繰り返すと良い。何度も言ってきたが、「なぜ?」で事象を深堀りすることによって、「問題」としてみるのではなく、「真の原因」を突き詰めることができるからだ。「真の原因」がわかれば、もっとも良質な打ち手を出すことができるだろう。日常において使うのであれば、例えば「なぜ仕事が期限までに終わらないのか?」「なぜこのようなニュースが報道されているのだろう?」といったお題を元に、ありとあらゆる場面で使うことをぜひ意識してみてほしい。

選んだ理由を3つ考える

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また、「なぜ?」を考えるもう1つの方法として、選んだ理由を3つだけ挙げてみることもお勧めする。深堀りすることが苦手なのであれば、まず3つだけ事象に対して理由を考える訓練をしてみてほしい。例えば、昼食に選んだご飯に対して、なぜあなたががそれを選んだのか、その理由を3つ挙げるといったことでもいい。選択の理由をしっかり言語化することで、あなたの思考がどのレベルなのか客観的に感じれるだろう。初めの方は、自分は意外と無意識の中で物を選択していたことに気づくだろう。自分がした選択に理由などないと思い込みがちだが、実際には潜在意識の中で選択物を選んでいる理由は存在している。そこをぜひ明確にしてみるように訓練してみてほしい。

問題に対して「なぜ?」、選択の理由に「なぜ?」というように、ありとあらゆるものに「なぜ?」と問いかけることは、大人になればなるほど行わなくなる。子供の成長スピードが速いのはなぜか?それは、ありとあらゆるものに「なぜ?」と問いかけるからだ。つまりあなたも普段から様々なことに興味関心を持ち、子供のような好奇心を持ち続けることができれば、奇抜な発想や深い考察を生み出せるかもしれない。そうすれば、「着眼点が面白い」「よくそんなことに気がついたな」「よく考えているな」といった褒め言葉をもらうこともできるだろう。

「なぜ?」は言い換えると、関心である。関心を持つことがこそが、思考を深堀る原動力となる。

②日頃から「SO WHAT(だから何?)」を意識して使用する

SO WHATとは

思考力を鍛えるもう一つの訓練として、ある事象に対して「SO WHAT(だから何?)と考え続ける方法がある。「SO WHAT(だから何?)」とは、それが意味するところは何かを考えることである。例えば冒頭でドラえもんの例を出したかと思うが、その例を「SO WHAT」にするとこのようになる。

ドラえもん

SO WHATは上の部分のメッセージを下の要素が支えている構造だとイメージしてもらうと分かりやすい。つまり上のメッセージである「ドラえもん」に対して、なぜそのようなことが言えるのかに答えたものが下部の要素である「青い体」や「鼻が赤い」だということだ。逆に、下の要素に対して「だから何?」と問いを投げかけた時、上の要素が整合性のとれた答えになっていなければいけない。下の要素である「鼻が赤い」「黄色の鈴」「青い体」に対して、「アンパンマン」と答えることは、SO WHATではない。そうならないためにSO WHATを考える上で注意すべき点は2つある。

1つは、下部の要素に対して、それが意味するところを深く考えているかどうか。例えば、青い体と聞いてどのようなものを連想して、どれをより近い候補に上げていくか、といったプロセスである。

2つは、上下で整合性が取れているのかどうか。先ほども説明したように、上部のメッセージが「アンパンマン」なのに対して、下部の要素が「青い体」だとそれは整合性のとれたものではない。

この2点を抑えれば、SO WHATに間違いが生じることは無くなるだろう。

日頃の訓練での「SO WHAT」

では日頃どのようにしてSO WHATを使い、訓練を行えばいいのか。大きく2つ訓練方法がある。

  1. 事象に対して「SO WHAT」を自分なりに考え、仮説を立てる。
  2. ニュース記事全文に目を通した後、自分なりに新しいタイトルをつける、もしくは要約する。

1つ目はニュースや報道に対して「SO WHAT」を自分なりに考える方法である。

例えば、最近○○という商品が流行っているとした時に、じゃあそれが流行ると今後どうなるのか、誰にどのような影響があるかなど、その意味合いを考えてみるといい。もうちょっと具体的な例を紹介すると、ハロウィンが流行るとどうなるだろうと考えた時に、

・仮装グッズがたくさん売れるようになる
・かぼちゃが売れるようになる
・ゴミが多くなってしまう。

このような事象が考えられるだろう。ある事象に対して、「だから何なのか?」を整合性のとれるレベル感で仮説をたくさん立ててみる。そうすることであなたの思考力は磨かれていく。

2つ目は、ニュース記事の本文を熟読し、その後タイトルや要約するという方法だ。
SO WHAT NEWS

記事のタイトルについて今一度考えてみてほしい。記事タイトルというものは、本文に書かれている内容をポイントを捉えて端的に表現している。つまりSO WHATになっているということだ。あなたがニュースを読む際、本文にどのような要素があって、その要素を根拠にどのようなタイトルをつけれるか考えてみてほしい。そうすることで、自然とSO WHATのトレーニングを行うことができる。

オススメなのはnewspicksというニュースに対してコメントできるサイトで、要約コメントをつけてみることだ。そうすることで、あなた自身のトレーニングにもなり、さらに要約文を見た他のユーザーに感謝されるので一石二鳥だ。ぜひ、これを毎日の習慣としてみてほしい。

まとめ

2ways thinkあなたが頭のキレる人になりたいのであれば、紹介したWHYとSO WHATのトレーニングを毎日行ってみると良い。定量的な数値では成長を感じることができないかもしれないが、与えられた情報で上質な仮説を立てる能力は、トレーニングを続けていくにつれて他の人より優れたものになることは間違いない。なぜなら、脳は繰り返し行うことで回路が発達するからだ。頭が良くなる近道は、 結局の所これらを継続して行うことだ。日常に「なぜ?」と「だから何?」を取り入れ、あなたの頭の回転力を高め、思考力を身につけてみてほしい。

引用・参考文献

大野 耐一,1978,ダイアモンド社『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして』
内田和成,2006,東洋経済新報社『仮説思考』